専門性の高いコンテンツを大規模に翻訳

Eppendorfは、法務や薬事、その他コーポレート部門での翻訳業務を効率化するべく、DeepLを採用しました。これらの部門においては、スピード、正確性、一貫した書式が求められます。

グローバルに事業展開するライフサイエンス企業として、Eppendorfは特に迅速さが求められる翻訳について、翻訳会社への依存度を減らし、機密文書の安全な取り扱いを確保できるソリューションを模索していました。

DeepLは現在、Eppendorfの段階的なアプローチをサポートしています。簡単な翻訳は社内のGPTで、長文と文書全体の翻訳はDeepLで、そして重要な文書については翻訳会社に依頼することで、多言語コンテンツの管理とスピーディな作業を可能にしています。 

「色々なツールを使っていましたが、一元化されたソリューションやプロセスは存在しませんでした」

Eppendorf プロジェクト改革担当シニアマネージャー Anna-Lena Rüsken

Eppendorfの企業情報

Eppendorfは、ライフサイエンス分野の大手グローバル企業です。扱う製品には、ピペットや遠心分離機から、超低温冷凍庫やバイオリアクターに至るまで、世界中の研究所で使用される機器、消耗品、サービスが含まれ、学術研究機関や商業研究機関で幅広く利用されています。 

Eppendorfはドイツに本社を置き、30以上の国で事業展開しています。グローバルな商業ネットワークに加え、米国、ドイツ、イギリス、中国、日本で研究開発および製造を行っています。 

地域や規制の枠組をまたいで連携することが求められるチームにおいて、連携を強化し、業務を円滑に進めるためには、正確性と一貫性を保ち、法令に準拠したコミュニケーションがこれまで以上に重要となっています。

Eppendorfの課題

DeepLを導入する前は、翻訳ワークフローは部門ごとにバラバラでした。あるチームでは簡単な作業に無料ツールを使用しており、またあるチームは翻訳会社に一任していました。 

翻訳会社による納品物は確実だったものの、高い精度が求められる法務および規制関連の文書以外に関しては、遅延と高額な費用は正当化しづらいものでした。

「部門ごとに異なるツールが使用されていました。DeepLやGoogle翻訳を利用しているチームもあれば、他の翻訳ツールを利用するチームもありました。すべてを把握することはできませんでした」

Eppendorf プロジェクト改革担当シニアマネージャー Anna-Lena Rüsken

課題に対するソリューション：DeepLの言語AI

Eppendorfは、あらゆる部門での文書翻訳の効率化を目的として、DeepLを使い始めました。DeepLのソリューションは、書式を保持できること、法的要件を満たす翻訳を提供できること、そして翻訳会社よりも迅速に結果を出力できるという点で際立っており、何よりセキュリティが確保される点に魅力を感じました。

現在、Eppendorfが実践する段階的な翻訳アプローチにおいて、DeepLは中心的な役割を果たしています。

1. 簡単な非公式コンテンツ（短い文章の確認など）では、GPTやDeepLのWebショートカットキーを使用
2. 社内のコンプライアンス資料、契約書、ビジネスコミュニケーションでは、スピード、品質、セキュリティのバランスを考慮し、主にDeepLのソリューションを使用 
3. 規制当局への提出書類や科学的な指示書など、重要度の高い資料については、依然として人間による翻訳に頼っているものの、草案作成の高速化とコスト削減のためにDeepLの統合を検討中 

「短い文章をさっと把握するだけなら、今でもGPTを使用しています。ただ、文書全体を安全に翻訳する必要がある場合は、DeepLを活用しています」

Eppendorf プロジェクト改革担当シニアマネージャー Anna-Lena Rüsken

DeepLが、GDPR準拠のほか、モデルのトレーニングにデータを使用しないという厳格なポリシーを持つこと、エンタープライズ級のセキュリティを備えていることも、EppendorfがDeepLを選定した大きな理由の一つでした。導入が進むにつれ、DeepLは多くの部門で利用されるプラットフォームとなりました。各チームは独立して機能しながら、一貫性と品質はチーム間で維持されていす。

DeepL導入の効果：
効率化と管理の強化

DeepLの導入以来、Eppendorfでは翻訳のスピードと管理が大幅に改善されました。社内チームは、翻訳会社の納品を何日も待つことなく、契約書や規制関連の文書、記事などを数分で翻訳できるようになりました。 

「翻訳会社の納品には数週間かかることも多く、多くの場合それでは遅すぎました。今ではDeepLに投げるだけで2分後には訳文が得られます」

Eppendorf プロジェクト改革担当シニアマネージャー Anna-Lena Rüsken

重要な翻訳にかかる時間が短縮されたことで、チームは現地市場向けのコミュニケーションを調整したり、規制の変更を分析するといった、より価値の高い業務に注力できるようになりました。

今後の展望

多言語でのコンプライアンス対応が複雑化し、迅速なインサイト獲得の重要性が高まる中、Eppendorfのチームは単に文書翻訳のスピードを向上させただけでなく、より柔軟な働き方を実現することができました。

同社では既に、主に規制が厳しいワークフローに使用されている自社のCATシステムへのDeepLの統合を検討しています。AIを活用した翻訳には規制上の制約があるものの、DeepLの統合は、アプリケーションスペシャリスト、研究開発の専門家、技術文書作成チーム間の連携を強化し、素早い文章推敲を可能にする重要なマイルストーンとなります。

DeepLの戦略的ソリューションにより、Eppendorfは重要な業務を安全かつ迅速に遂行できるようになりました。DeepLでは、このようにライフサイエンス向けのソリューションをご用意しています。