サイボウズ株式会社は1997年に設立され、企業理念に基づき、チーム主導型のグループウェアを開発・提供しています。チームワークあふれる社会を創る
このたび、サイボウズのIT部門責任者である鈴木秀一氏にお話を伺いました。同社のグローバル市場への展開と将来のビジョンについて詳しくお聞きするとともに、サイボウズがDeepLのAI翻訳を活用して社内コミュニケーションとチームワークをどのように改善しているかについてもご紹介します。
東京に本社を置くソフトウェア企業、サイボウズ株式会社は、KintoneやメールワイズなどのWebベースのグループウェアソリューションを提供しています。
サイボウズは最近、新たなグローバル市場へ進出いたしました。そのため、「いつでも、どこでも、誰とでも」コミュニケーションが可能な翻訳ツールが必要となっています。
DeepLのAI翻訳により、サイボウズでは社内のコミュニケーションとコラボレーションに良い影響が見られました。

私はサイボウズ株式会社の運用本部情報システム部の部長を務めています。情報システム部門の主な業務には、社内システムの設計、構築、および運用が含まれます。具体的には、情報システム部門は以下の3つのチームで構成されています。
私の役割は、三つのチームすべてを統括することです。
サイボウズにはグループウェア製品事業とチームワーク強化メソッド事業の二つのビジネスがあります。グループウェアに関しては、Kintone、Garoon、サイボウズ Office、メールワイズという4つの製品を開発・販売・運営しています。チームや組織間で情報を共有するためのグループウェアの開発者として、「チームワークあふれる社会を創る」という目的を掲げています。

当社は、アメリカ、オーストラリア、中国、台湾、マレーシア、ベトナムなど、様々な国や地域において、海外市場向けのKintoneを開発しています。
国籍や母国語に関わらず、日本国内で海外メンバーの採用も行っています。これは、多様な市場で使用されるプロダクトを開発するにあたり、それらの市場を理解する必要があるという考え方に基づいています。一部の開発チームにおいては、候補者が日本人であるか日本語を話せるかどうかは、もはや問題ではありません。
当社はグローバルな事業展開を行っており、ベトナム、中国、アメリカに事務所を構えています。
各拠点において、日本語を話すメンバーよりも、各国からのメンバーの方が多いので、コミュニケーションの言語は場所によって異なります。
ベトナムでは、コミュニケーションはベトナム語で行われます。アメリカでは英語、中国では主に中国語、日本では日本語が使用されます。しかし全体として見ると、日本語を話すメンバーの割合は必然的に高くなるため、グループウェア上でのコミュニケーションの多くは日本語で行われています。
そうすると、日本以外のメンバーは文書を読むことができず、議論に参加するのが困難でした。このような理由から、言語の壁を取り除くサポートを提供する必要性を感じ、翻訳ツールの導入を検討し始めました。
公開されているデータから、DeepLのセキュリティ基準が高い水準にあると最も重要な点です。翻訳ツールの導入を検討し始めたのは、おそらく4、5年以上前のことだったと思います。当時ほとんどのツールは、入力データを用いて翻訳システムの改善を行っていました。
一方、DeepLは常に入力データを速やかに削除し、安全に処理することを明言しています。情報システム部門として、私たちは使いやすさよりも、セキュリティと操作の容易さをより重視しています。セキュリティの観点から最も優れていると思われるツールとして、DeepLを検討し始めました。

多くのユーザーが、DeepLの翻訳結果は他社よりも自然な仕上がりだとおっしゃっています。
他の翻訳ツールは、翻訳が不自然な印象を与えたり、例文のような響きを持つ文章を生成すると言われています。また、ユーザーが翻訳結果をそのまま使用できるかどうかを判断できず、
各単語を翻訳し直したり、調べ直したりするなど、翻訳結果に注意が必要である点も問題でした。DeepLは翻訳精度において高い評価を得ており、翻訳結果はそのまま利用できます。そのため、社員の多くが現在DeepLを利用しています。また、デスクトップアプリケーションが非常に使いやすいと聞いており、ショートカットキーを使用してすぐに翻訳を行う、という使い方をしているようです。
開発に携わるエンジニアも多くいるため、ショートカットキーで、開発者が使いやすい点も大変助かります。
仕様書やメールのお問い合わせの翻訳には、DeepLを利用しています。 現在、当社は海外市場向けプロダクトのサポートを提供していますので、それらの翻訳の一部にも活用しています。
社内でのコミュニケーションは基本的にKintoneで行っています。 また、Kintoneで作成されたマニュアルやFAQを英語に翻訳する際には、DeepLを利用しています。
さらに、ブラウザ拡張機能を使用してWebページ全体を翻訳しています。
全社導入以前から、複数のチームが有料のDeepLを利用しており、DeepLが何かについてはほぼ全員が知っていたので、導入に関して大きな課題はほとんどありませんでした。
セキュリティ上、有料サブスクリプションのDeepLをご利用いただくのが社内規定となっていますが、アカウント管理および契約手続きについては、利用者に一任している状況でした。今回、情報システム部門が全社的に取りまとめ、利用を希望する社員にライセンスを付与する方針で導入を実施しました。
管理面においては、情報システム部門の負担を軽減しつつ、利用者に大きなメリットをもたらす形で本システムを導入することができました。これがプロジェクトの重要なポイントでした。
例えば、シングルサインオン(SSO)により、ユーザー自身が登録してアカウントを作成することが可能です。また、アカウントの上限に達した場合、システムは自動的に未使用のアカウントを無効化します。
今回は投資収益率(ROI)ではなく、目に見える課題への解決策としてDeepLを導入しました。
言語の壁がサイボウズ社内でますます深刻化しているという背景があります。日本語を言語として使用しない社員が増えたため、全社に向けて投稿する際には英語と日本語の両方で記載されなければ、内容を理解できないことがあり、
また、日常的なコミュニケーションにおいても、英語を使用しなければ議論が進まない場合があります。情報システム部門では、社員全員がコミュニケーションを理解できるよう対応するツールを導入しています。
投資収益率(ROI)の観点から申し上げますと、翻訳やコミュニケーションに費やされる時間がどれだけ削減されたかを示すことは不可能ではないと考えており、たしかにその効果も実感しています。
ただ、DeepLの導入によるもう一つの効果として感じるのは、現時点では海外のチームのメンバーが私に連絡を取りやすくなったという点です。メンバーの母国語でコメントを書くことで、コンテンツが理解しやすくなり、ニュアンスも伝わるようになります。
メンバーが相談しやすくなり、いわゆる言語の壁が低くなったと感じることがよくあります。これが真実かどうかは判断が難しいのですが、DeepLは私たちのコミュニケーションに計り知れない良い影響を与えていると感じます。
ITの観点から、情報格差と地域格差を可能な限り縮小したいと考えています。企業がグローバルに競争しようとする場合、いつでもどこでも仕事ができることが重要だと言われることが多いです。しかしながら、最近感じるのは、「誰とでも」という姿勢が当社においてもますます重要になってきているということです。
コロナ禍を経て、多くの企業が在宅勤務を導入し、いつでもどこでも仕事ができることがもはや珍しいことではなくなりました。サイボウズにおいて次に重要なのは「誰とでも」です。多様な考え方の持ち主である人々とのチームワークにおいて最初に生じる問題は、言語の壁です。その障壁が取り除かれれば、新たな働き方が見えてくるのではないかと考えます。
情報を共有し、グローバルにコミュニケーションを取ることで、日本語だけでコミュニケーションを取っていた場合には思いつかなかったような新しいアイディアを生み出すことができます。サイボウズは「いつでも、どこでも、誰とでも」の段階へと進んでいます。この仕組みを推進する第一歩は、異なる言語を話す人々が互いにコミュニケーションを取れるようにすることだと考えます。
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