大和証券グループにおけるデジタル変革におけるAI翻訳の役割

東京に本社を置く大和証券グループは、世界最大の証券会社の一つです。大和証券グループは、オンライン取引から資産運用に至るまで、多様なサービスを提供しており、世界中に法人および投資家の顧客を擁しています。

このたび、大和証券グループ本社の廣島和輝氏にお話を伺いました。同社がデジタル化を加速させ、DeepLのAI翻訳を活用して国際展開を拡大している取り組みについて詳しくご紹介いたします。

主なポイント

  • 社内での文書ファイルの翻訳により、外部機関への依存度が大幅に減少

  • 多言語のIR資料の同時公開により、グローバルなコミュニケーションが加速

  • 用語集の使用により、専門的な金融用語における高い精度を確保

  • 文書ファイルの翻訳機能により、書式の一貫性を維持しながら生産性を向上させることが可能に

  • AI翻訳は、より広範なデジタルファーストの文化的変革を促進する触媒としての役割を果たしている

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業界
金融
DeepLのプロダクト
Glossary, DeepL Translator
主な市場
日本, アメリカ大陸, ヨーロッパ, アジア, オセアニア
主な言語
日本語, 英語, 中国語

御社、所属部署、役職、そしてこれまでのご経歴についてお聞かせいただけますでしょうか。

大和証券グループ本社において、私は2023年10月に設立されたデジタル推進部に所属しています。デジタル化の加速を強く望んで設立された当部門は、社長の直下にあります。

大和証券の主なビジネス分野は、投資および金融サービスであり、その中核にはセキュリティが据えられています。最近では、日本国内だけでなく、アメリカ大陸、ヨーロッパ、アジア、オセアニアにおいてもビジネスを拡大しています。

私自身の経歴につきましては、外資系IT企業にてプロジェクトマネージャーとして勤務した後、2016年に大和証券グループ本社に入社いたしました。これまでのキャリアにおいて、私は海外の関係者の方々と共に、ヨーロッパ、アメリカ、アジア諸国など様々な国々において、システム導入および統合プロジェクトに携わってまいりました。このような背景から、日本をこうした国々の効率性の水準にまで引き上げることが、私の使命であり、主な研究分野となっています。

海外での経験もあって、大和証券に入社した際には、グローバルな規制関連プロジェクトに携わらせていただきました。また、リスク管理の分野にも携わり、人事や財務といったコーポレートシステムにも関わってきました。 

最近では、デジタル変革における様々な先端技術やビジネス改革に携わり、2023年10月からは、デジタル推進部の一員として勤務しています。 

デジタル推進部の立ち上げ以来、最初の数ヶ月間はどのような状況でしたでしょうか?

数ヶ月が経ち、初めと同じように感じられることもあれば、今では違うように感じられる面もあります。デジタル変革の取り組みは、主にIT技術に関するものだと考えていましたが、始めてみると、この取り組みは既存の文化や歴史に対する一種の反発であると感じるようになりました。

ほとんどのIT技術は、シリコンバレーや世界中のその他の最先端地域で生まれました。ですから、私たち日本企業として行うべきことは、これまでに創出された、あるいは現在創出されている技術を、自社の事業活動に適用するということになります。その際には、当社のビジネスのうちどの部分に影響を与えるのか、それをどう変えるのか、そしてどのように意思決定を行っているのかを考慮する必要があります。ここが、良い面も悪い面も含めて、私たちがしばしば日本語独自の文化の障壁に直面する場面だと感じます。

日本の企業における雇用形態の特徴の一つとして、新卒一括採用と総合職の養成文化が挙げられます。給与計算の調整には、非常に高い難易度も伴います。したがって、IT機能は社内で実施するよりも、外部委託されることが多くなっています。 IT機能を自社で構築するのではなく、外部から購入するという考え方が依然として根強い状況です。また、日本の企業には品質に対する独特の考え方があると感じます。これは主に、日本の戦後の復興が製造業の企業を中心として進められたことに起因しています。 

日本の製造業の企業は、QCD(品質、コスト、納期)における「Q」(品質)と「C」(コスト)を圧倒的に重視する文化によって発展してきました。しかしながら、デリバリーの速さにはあまり重点を置いていません。製造業の企業においては、命や安全性に関わるものも多いので、それは理にかなっています。一方、ソフトウェアにおいては、「D」、すなわち納品のスピードが重要です。これを理解する人を増やすことが必要であると考えます。

御社のデジタル領域における変革の進捗状況はいかがでしょうか。

社員の多くは、世界がデジタルに向かっていると感じており、この方向へ進むことが適切であると考えています。本部門は、社長ならびに経営陣の支援のもと設立されました。 

しかしながら、当社は規制産業に属しており、自らの利益のために何かを変更する立場にはありません。既存の規制の範囲内で競争力を維持するために、デジタル技術をどのように活用できるかについて検討する必要があり、この課題の改善に向けて絶えず取り組んでいます。

現在、当社は特定の分野、例えば翻訳や音声のテキスト化などに注力する取り組みを進めています。これは私たちが日々考えていることであり、全体像と具体的な活動の両方を視野に入れています。

現在、ご注目いただいている技術やトレンドについて、お聞かせいただけますでしょうか?

IT企業でもビジネス企業でも、生成AIを抜きにしてテクノロジーを語る企業は少ないでしょう。昨年シリコンバレーに滞在した際、IT企業は皆、生成AIについて話していました。たとえ私たちが尋ねなくても、です。これがまさにテクノロジーのトレンドだと感じました。

それをどう使うかについては、現在、生成AIが中核のテクノロジーとして存在する一方、依然として使用範囲は限定的です。当社は、生成AIの機能性を、その発展に伴い、社内外のデータと連携させながら活用する方法について取り組んでいます。

9,000名の社員にChatGPTを展開するとのことですが、業務にどのように組み込んでいらっしゃるのでしょうか?

全員が利用しているとは言えませんが、利用可能な環境は整えています。実際のところ、仕事の内容によって、頻繁に利用される人もいれば、そうでない人もいます。社員の約10%が、少なくとも1日に1回は利用しています。

例えば、プロジェクトのプランを立てる際には、ChatGPTに「このような取り組みを行いたいが、どのようなアプローチを取るべきか?」といった質問や、「デジタル変革の取り組みを効率化するために、どのような点を考慮すべきか?」と質問すると、組織構造や技術など、約5つの回答が得られ、感銘を受けました。 

また、当社は金融機関であるため、プログラミングは社内で行っています。コーディングに活用するという使い方が、非常に良く機能しています。データ分析を行う際、ChatGPTに「データをクリーニングしたいので、コードを書いてください」というようにです。

DeepLのAI翻訳ツールもご利用いただいていますが、どのようなニーズが採用のきっかけとなりましたか?

当社は国際的に事業拡大を進めているため、海外の事業所との間で多くの連絡を取り合っています。例えば、日本国内においても、富裕層の中国のお客様が存在し、同社には彼らを担当する営業スタッフがいます。意思疎通を図るためには、言語の壁を乗り越えなければなりません。

単語や文章を翻訳するツールは以前から存在していましたが、DeepLでは文書ファイル全体を翻訳することが可能です。その点には非常に大きな価値があると考えています。というのも、それによって私自身の生産性が著しく向上したからです。

様々な翻訳ツールが存在する中で、DeepLを選ばれた理由をお聞かせいただけますでしょうか。

主な理由は2つあります。第1の圧倒的な理由は、ファイル単位での翻訳が可能である点です。もう一つは用語集機能です。それらの両方を実現できるという点において、DeepLが私たちが探した中で最良の選択肢でした。

また、ツールの精度についても比較しました。質的な点ではありますが、「DeepLは非常に正確で、使いやすいです」という意見がよくあがっています。

主に文書ファイルの翻訳にご利用いただいていますが、具体的なビジネスへの影響はありましたでしょうか?

DeepLは生産性の改善に直接的に貢献しました。例えば、事業年度の終了時に投資家向け資料(IR資料)を英語と日本語の両方で公開する必要がある場合、英語版の公開にかかる労力が軽減されました。その結果、速度も向上しました。

IR資料を公開した後、投資家やアナリストとの質疑応答セッションの内容を当社Webサイトに掲載する必要があります。DeepLを使用して日本語版と英語版を同時に作成しています。これにより、このワークフローを迅速化することができました。 

DeepLを利用する前は、業務を外部の業者に委託せざるを得ない場合もありましたが、DeepLの導入により、社内での作業が可能となりました。これにより、作業負荷とコストの削減が実現したと聞いています。 

DeepLのご利用をご検討中の企業様へ、どのようなメッセージをお伝えされたいですか?

ファイルの翻訳能力は、間違いなく最高であり、翻訳の精度も非常に高いです。また、用語集を設定できる機能は非常に実用的です。DeepLが音声領域にも展開していることから、今後の見通しも非常に良好です。


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