プロフェッショナルサービスの企業が実践：コミュニケーションを改善する5つの方法

グローバルなプロフェッショナルサービス業界は、ビジネスの複雑化や急速な技術革新、規制の変化を受け、現在65億ドルと推定される市場が2033年までに103億ドル規模に成長すると予測されています。 

しかし市場の拡大に合わせて競争も激化しています。豊富な知識を有し価格にシビアな顧客に対し、企業はこれまで以上に明確な価値と費用対効果を示せなくてはなりません。

このような市場環境でコンサルティングファームや会計事務所は、コストを抑えながら顧客の信頼を損なうことなく、高品質かつコンプライアンスを満たすサービスをより効率的に提供していく必要があります。

その効果的な方法のひとつとして、グローバルチームや顧客との社内外コミュニケーションの強化が挙げられます。明確な意思疎通は時間の無駄や企業評価の低下、成長機会の喪失リスクを防げます。

コミュニケーションの断絶がもたらす想像以上に大きな損失

不十分なコミュニケーションは企業全体でパフォーマンスの低下を招きます。調査によると、従業員の90％が1日最大2時間を認識齟齬の解消に費やし、企業は従業員1人あたり年間37,440ドル以上の損失を被っています。

不明確な提案書や修正が必要な監査報告、用語の不統一、文脈の取り違えなど、従来の翻訳工程はプロフェッショナルサービスの効率性に直接的な影響を及ぼしています。また、手作業を多く含むプロセスでは、事業のグローバル展開で求められるスピードと正確性に追いつけなくなります。

その結果、ビジネスのあらゆる側面で遅延や不整合が発生し、信頼の低下に発展します。

こうしたコミュニケーションギャップを埋める手段として、AIを導入する企業が増えているのも当然と言えるでしょう。自身もDeepLを利用する、PwCのパートナーKlaus Schmidt氏は、DeepLのエンタープライズ向けAI戦略のウェビナーで、AIの普及は「将来に向けて業界のあり方を変える千載一遇のチャンス」になると述べています。

根強い慎重姿勢 

AIの潜在力を認識する動きはプロフェッショナルサービス業界で急速に広がっており、この傾向は2022年のChatGPTリリース以降、加速しています。実際、同業界企業の23%がすでに生成AIを導入し、81%がAIの明確な活用方法を見出しています。

AIが加速度的に普及する一方で、導入を躊躇する声も根強くあります。DeepLの業界調査によると、AIによる翻訳の正確性を懸念する割合はプロフェッショナルサービス業界リーダーの70%に上り、AI導入の障壁としてデータセキュリティーを挙げる回答者の割合は68%でした。その他、プライバシーと機密保持（62%）、法令遵守（60%）、倫理的配慮（57%）が慎重姿勢の理由として挙げられました。

規制当局への提出書類、契約書の翻訳、監査資料の多言語化など、重要性の高い業務においては、AIを採用したワークフローは高速かつ効率的であるだけでなく、セキュリティー、可監査性、コンプライアンスも確実に担保されている必要があります。

「AIの普及は将来に向けて業界のあり方を変える千載一遇のチャンスとなります」

PwC パートナー（DeepLのお客様） Klaus Schmidt氏

プロフェッショナルサービスにおける言語AIのユースケース5例

効率性、正確性、そしてセキュリティーの強化を大規模に図れる言語AIを導入することで、 従来の翻訳工程ではカバーし切れない、多言語化に対する世界的な需要増加に対応できるようになります。

言語AIによるコミュニケーションの改善

1. 大量の文書を正確かつ迅速に翻訳

提案書やプレゼンテーション、契約書、顧客宛の最新情報などを顧客の使用言語に翻訳。PDF、Word、PowerPoint、Excel などのファイル全体を元のレイアウトを維持したまま訳すこともできます。

2. ビジネスにおける文章作成を向上

チーム間の明確なコミュニケーションや顧客向け資料の校正に言語AIを利用。複雑になりがちな専門的な内容を簡潔な表現に推敲し、専門知識を持たない相手にも伝わりやすい文章を作成するのにも活用できます。

「DeepLは弊社の翻訳業務を大きく変えました。顧客にコスト削減効果をもたらしただけでなく、弊社のプロジェクト効率化も実現できました」

Deloitte シニアマネージャー（DeepLのお客様） Anodri Suchdeve 

3. 多言語を必要とする調査の負担を軽減

調査や市場動向の把握、レポート作成で発生する翻訳の効率化に言語AIを利用。手作業を減らし、意思決定を加速できます。 

4. 社内の情報共有とオンボーディング

オンボーディングやトレーニング用の資料、社内コミュニケーションをローカライズし各国のチームを支援するために言語AIを導入。拠点や使用言語に関係なく、すべての従業員が一体となり、正確な情報を共有し、自信を持って力を発揮できる環境を整えられます。

5. 規制およびコンプライアンス関連の資料作成

機密性の高い規制関連資料を安全に翻訳し、各法域における正確性と追跡可能性を確保。また、誤った解釈のリスクを最小限に抑え、手動によるレビューを減らせます。言語AIを活用することで、複雑なグローバル規制にも迅速に対応できます。

DeepLの導入事例：Spindox

グローバル企業と提携するITコンサルティング企業Spindoxは、プロフェッショナルサービスとデジタルトランスフォーメーションが融合する最前線で事業を展開しています。同社はDeepLを顧客の多言語プラットフォームに統合し、顧客チームが直面していた言語の壁をリアルタイムで解消。2ヶ国に拠点を置くチームが、英語を間に挟むことなく自分たちの第一言語だけでコミュニケーションを取り、円滑に共同できる環境を構築しました。

DeepLの導入によってSpindoxは以下を実現しました。

• 言語の壁を解消：顧客のチームは2ヶ国に拠点を置いていましたが、どちらのチームにとっても英語は外国語でした。DeepLの導入によって英語を介することなく、それぞれの母語だけでコミュニケーションを取れるようになりました。
• グローバル成長を促進：DeepLの安定した翻訳品質により、Spindoxの顧客は自信を持って事業の国際展開を加速できました。
• イノベーションに集中できる環境を実現：時間のかかる翻訳が不要となり、従業員は英語のメッセージを解読する必要から解放され、課題の解決に専念できるようになりました。

 Spindoxの事例全文はこちら

信頼はセキュリティーから

AIは大きな可能性を生みますが、同時にリスクももたらします。プロフェッショナルサービス企業を取り巻く環境が複雑さを増す中、顧客はスピードと深い洞察の両方を求め、規制当局は透明性を要求します。一方で、社内システムは高いセキュリティーと可監査性を確保しなくてはなりません。

しかし、攻めと守りのバランスを取ることは可能です。 

そのためには、セキュリティーを中核に据え、国際法規制に準拠したAIツールを選ぶことが重要となります。業務の迅速化や円滑なコミュニケーションを安全性を損なわずに行えることで、チームは安心してイノベーションに取り組む自由を獲得できます。

次のステップを間違いのない選択に

グローバルに事業展開するプロフェッショナルサービス企業にとって、言語AIを活用できるケースは数多くあります。実際の導入においては、プラットフォームがセキュリティー、法令遵守、長期的な拡張性の要件を高い水準で満たしているかを慎重に見極めることが重要です。