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DeepLではアクセシビリティ向上に取り組んでいます。2022年5月19日はアクセシビリティについて世界全体で考える日です。

アクセシビリティ向上のためのDeepLの取り組み

5月19日は、アクセシビリティについて世界全体で考える日(Global Accessibility Awareness Day: GAAD)です。GAAD基金は、デジタルプロダクトにおいて常にアクセシビリティを考慮した開発がなされるように働きかけています。DeepLではアクセシビリティで何か特別なプロジェクトが進行しているわけではありませんが、より使いやすいプロダクトを世界各地の何億人ものユーザーに提供できるように、継続的に取り組みを進めています。

アクセシビリティに対するDeepLの取り組み 

DeepLでは、ウェブアクセシビリティ・イニシアティブが提唱するウェブコンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン(Web Content Accessibility Guidelines: WCAG)に従い、サイトやページのアクセシビリティ向上に努めています。ガイドラインのうち、特に以下を遵守しています。 

  • 画像の内容をテキストで説明する(代替テキスト) 
  • 画面サイズとフォントサイズに配慮する 
  • キーボード操作でサイトの機能を使えるようにする 
  • コンテンツを閲覧しやすい構造にする 
  • サイトやページの整合性を保つ 

デジタルプロダクトを完全にアクセシブルにするには、マウスではなくキーボードで操作できるようにウェブ上の翻訳ツールを最適化しなければなりません。ユーザーはナビゲーションリンクをタブキーで選択するなどのキー操作だけで翻訳できます。

また、画面読み上げソフトの最適化を行うなど、視覚的なアクセシビリティにも力を入れています。NVDAVoiceOverといった画面読み上げソフトを使ってウェブページの文字を読み上げることで、ユーザーはテキストを追ったりサイト内を移動したりしやすくなります。 

さらに、私たちのサイトではプロダクトの説明文やナビゲーションメニュー、ブログ記事など、簡潔かつ分かりやすい言葉遣いで、シンプルな文章構造になるように心掛けています。DeepLのスタイルガイドでは、以下のルールを定めています。  

  • イタリック体を極力使用しない  
  • 読みやすい見出しをつける  
  • アンド記号など画面読み上げソフトで扱いにくい文字を極力使用しない 

最近では、問題点を特定するためのテストプラットフォームを提供するFableと協力し、DeepLのウェブサイトに変更や改善を加えました。 

Fable Engageのアクセシビリティチェック

Fableの Fable Engageを使えば、チームが遠隔またはオンデマンドで障害のある方々とつながり、ユーザー調査やデザインの改善、そして開発を加速させられるようになります。アクセシビリティのテストを行ったメンバーからのフィードバックは、問題を特定しアクセシビリティを改善したいと考える企業にとって何事にも変え難い貴重な情報です。

Fableでは、アクセシブル・ユーザビリティスケール(Accessible Usability Scale: AUS)を使ってデジタルプロダクトを評価します。アクセシビリティ技術とサイトの互換性、サイトのナビゲーションの複雑性、そして外部からの支援がない場合における使いやすさなどの観点でアクセシビリティをテストし、一連の回答をスコア化します。AUSでは100を最高として、1から100までのスケールで評価を行います。Fableとの提携以来、DeepLのアクセシビリティ指標は劇的に上がりました。最初のテストでスコアは70でしたが、ウェブ上の翻訳ツールにあるタブの順番を変更してボタンのラベルを明確にするなどサイトの改善に乗り出した結果、次のテストではスコアが90になりました。 

改善 

まず、キーボードを使うユーザーに要素が見えやすくなるように、「フォーカス中の対象が可視化された状態」を改善しました。改善後は、WCAGのAAA基準に適合しました。 

フォーカス中の対象が可視化された状態の改善後の図です。無料体験開始のボタンが太線で囲まれています。

さらに翻訳ツールのすべての要素について、視覚的ならびに画面読み上げの観点から改善を施し、操作中の要素を誰でも特定できるようにしました。 

翻訳を共有するためのアイコンの改善後の図です。アイコンの上に、翻訳を共有するとテキストで記載されています。

最後に、翻訳ツールを拡大できるようにして、大きなサイズのテキストが必要な方も快適に使用できるようにしました。

高倍率で表示したウェブ上の翻訳ツールのスクリーンショットです。高倍率にすると読みやすくなり、ページが崩れることもありません。

これら重要な改善点をサイトに加えた後、ウェブ上の翻訳ツールのアクセシビリティをテストしたとあるメンバーから嬉しい感想をもらいました。

「このウェブサイト、大変気に入りました。初めて使いましたが本当に便利です。原文と訳文にどの言語が選択されているか分かりやすく、別の言語を探して置き換えるのも難なくできました。使っていて本当に楽しく、非常によくできたウェブサイトだと感じました」

モバイル向けに新しくウェブサイトをリリースした際も、上記の改善点を適用した結果、80というスコアを獲得しました。今後もFableとの連携を継続し、改善を続けてゆきます。そしてAI企業のデジタルアクセシビリティの水準を引き上げたいと考えています。

今後の展望

DeepLは、サイトやアプリを継続的に改善し、世界で通用するWCAG 2の基準を満たすことを目指します。WCAG 2の基準では、プロダクトの開発を進める上で、アクセシビリティに関して準拠すべき具体的なガイドラインが定められています。

現在、DeepLではデスクトップとモバイルで閲覧できるウェブサイトのキーボード操作と画面読み上げを最適化すべく、取り組みを進めています。  アクセシビリティについて世界全体で考える日(GAAD)やデジタル業界でのアクセシビリティ に対する取り組みについて、詳しくはGAADの公式サイトをご覧ください。DeepLはこれからも、アクセシビリティの改善点をお伝えしていきます。